特徴的な風の森 × 酒直し薬
いつも風の森をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。
風の森 ALPHA7では、お客様にもっと自由に日本酒を楽しんでいただけるよう、個性的な2種類の原酒を、お客様自身でブレンドしていただく製品を過去4回に渡って送り出してきました。
今回の「風の森 ALPHA7一期一会 2023」では、個性的なフレーバーを持つ日本酒と、それに合うボタニカルを使った「酒直し薬」であるスピリッツをお客様の手でブレンドして頂く事で、未だかつてない新たな日本酒の楽しみ方を発見できるよう、ご提案いたします。
今回ご用意している日本酒は、クローブを思わせるスパイシーさや、木の様なフレーバーを持っています。なぜなら、風の森ALPHAシリーズで、菩提酛造りを行いながらも、清酒酵母や麹菌、乳酸菌だけでなく、その他の微生物による味わいや香りをお酒に重ねるチャレンジを続ける中で、意図せず野生酵母が活躍し特徴的なフレーバーが生まれたからです。この特徴的なフレーバーは今まで日本酒業界の中では必ずしも肯定的に捉えられるものではありませんでしたが、今回のALPHA7 2023では「酒直し薬」の香りを重ねていくことで、日本酒の新たな魅力を見出すという新しい試みです。
このALPHA7 2023誕生のヒントとなったのは、江戸時代初期に書かれた醸造技術書「童蒙(どうもう)酒造記」の内容です。この書物の中には清酒の製造について、原料処理から仕込み、お酒の搾りの工程に加え、搾った酒の夏期の腐敗を予防する火入れ作業や貯蔵、変質してしまった酒や醪の調整方法についても触れられています。
【秘伝の直し薬】
蜜練之事。山壱斗を水弐斗四、五升にて四、五篇垂返し、其灰汁(アク)を釜に入、十分一程に練詰、呫(ナム)ルに唇胮(クチヒルフク)る者也。是を密ト云。少も悪香ナク、秘蔵の直シ也。
山ハつ〳〵程能炒て、熱(ホトリ)に直に入也。醅直シ、清酒冷直シ、火入直シ共に同前也。
上記のように、密練と言われた秘伝の「酒直し薬」を用いることで、味わいや香りのバランスを崩してしまった日本酒を再び楽しめる様に直したという記述があるのです。
この「酒直し薬」の記述をヒントに、大和蒸溜所にてすべて奈良県産の生薬を用いた特製のオリジナルスピリッツを製造致しました。
生薬としても使われる桂皮(ケイヒ)の樹皮から作られる香料である肉桂(ニッキ)、同じく生薬である山椒、大和当帰(ヤマトトウキ)、キハダの実と日本固有の柑橘である大和橘(ヤマトタチバナ)を使用しています。
肉桂がもたらす香りは甘みを伴い、山椒の青くさわやかなスパイシーさがそれぞれの魅力をより引き立てます。また、キハダの実の特有の苦みは酒の味わいに深みを与えます。
この「酒直し薬」を、付属のHARIO社製オリジナルビーカーに注いだお酒にスポイトで数滴加えれば、それぞれでは味わえない新たな香りや味わいを見つけることが出来るはず。あなただけのお好きな配合を見つけてみてはいかがでしょうか。
日本酒の新たな可能性を探った「風の森 ALPHA7 一期一会 2023」で日本酒をもっと自由にお楽しみくださいませ。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
令和5年11月吉日 油長酒造株式会社 山本長兵衛
※大和蒸溜所について
私たちは奈良県のボタニカルを用いたクラフトジンを「大和蒸溜所」で蒸溜しています。
ジンはもともとヨーロッパでは薬用酒として薬効のあるボタカルを用いて造られていた歴史を持ち、私たちの蔵がある奈良県は生薬発祥の地という由縁から、2018年、蒸溜所を開所いたしました。
風の森 ALPHA7 一期一会 2023
[セット内容] ※日本酒とスピリッツの2本セットでのご用意です。
・風の森ALPHA7 2023
奈良県産秋津穂 100%使用 720ml アルコール分16度無濾過無加水生酒 菩提酛仕込
・「酒直し薬」 スピリッツ 50ml アルコール分40度 スピリッツ ※大和蒸溜所特製
11月15日出荷