風の森は初期の頃、多種多様な酵母でお酒造りを行いましたが、
目指す酒質と風の森の仕込水との相性を考え、
最適な酵母は7号酵母という結論に至り、
以来20年近く、7号酵母のみで醸してまいりました。
7号酵母は、1946年、大蔵省醸造試験場の山田正一氏が、
長野県の銘酒真澄を醸す酒蔵から発見、「近代日本酒の礎」と称されました。
私自身も7号酵母の素晴らしさに魅了され続けています。
しかし、酒造りを続けてきた中で違う種の酵母への興味が
募らなかったといえばそれは嘘になります。
私たちのフラッグシップ米秋津穂を違う酵母で醸せばどうなるのか、
興味は尽きません。
6号酵母
7号酵母発見の16年前、6号酵母は1930年国税庁技術者・小穴富司雄氏の手により、
秋田の銘酒新政を醸す酒蔵から発見されました。
それ以降に発見された協会酵母の親であり、
全て遺伝的に6号の突然変異であることが判明しています。
低温発酵力の強い6号酵母は風の森との
相性も良いのではないかとずっと思いを募らせていました。
今回、10年来親交を深めさせて頂いた新政酒造の佐藤祐輔さんから、
6号酵母を分けていただき、風の森として20年ぶりに6号酵母を使用し、
「風の森ALPHA6 6号への敬意」をリリースいたします。
【異なる酵母で醸しながらも風の森を表現するために】
原料米は、風の森のフラッグシップ米であり、
奈良県下の契約農家の方々に栽培していただいている秋津穂を使用。
6号酵母に因み、精米歩合を66%まで磨きました。
他の酵母たちに比べると味わいがシンプルといわれる6号酵母ですが、
低温下でも活発に活動する酵母の特性と、当蔵独自の発酵タンクにより、
醪を長期間低温発酵させ豊かな香味成分を引き出しました。
さらに、金剛葛城山系より湧き出る超硬水の仕込み水により、
とろみある質感の液体となり、穏やかな味わいが口の中に持続します。
青いメロンやウリの様な穏やかで芳醇な香りが漂い、
口に含むと優しい甘みと酸味が舌の上に広がります。
真中採りをご用意
真中採りとは「搾ったお酒の中でも搾り機の圧をかけずに滴り落ちる部分。
⼝当たりはやわらかく、⾹りが豊か」なのが特徴です。
4月中旬に真中採り版を蔵出しいたします。
真中採り版には、風の森のロゴと「6」をあしらったメタル製タグが掛かります。
油長酒造の蔵人一同、近代酵母の母である6号酵母への敬意をこめて醸しました。
蔵出しまで今しばらくお待ちくださいませ。
令和4年4⽉吉⽇ 油⻑酒造株式会社 ⼭本⻑兵衛
風の森 ALPHA6 6号への敬意 真中採り
奈良県産秋津穂100%使用
使用酵母 6号酵母
精米歩合66%
アルコール分 16度
無濾過無加水生酒
真中限定メタル製タグ付き
500ml 希望小売価格 1980円税込
4月14日前後蔵出し予定